和の料理人・高橋明也さんに教わる 食材をすべて生かす料理
大根とにんじんの皮(その1)

皮ならではの歯ごたえとうま味が感じられる一品。皮と実の間に栄養が多いというのも、見逃せません。

 

「大根とにんじんの皮を活用するためには、皮をできるだけ長くむいてください」

「包丁でもスライサーを使ってもどちらでもOKです」

「皮をむいた当日ではなく、翌日に調理をしたいときは、空気が入らないようにラップで包んで保存します。皮の水分を逃したくないため、キッチンペーパーの使用は避けてください。キッチンペーパーでは乾燥してしまいます」

「ほかに、軽く塩を振って保存する方法もあります。塩をした場合は、使用前に水洗いをしてください」




IMG_1156_35.jpg                            (photo/Chika Sugimoto)
にんじんと大根の皮を使った
紅白なます

「大根とにんじんの皮、あわせて約50〜70gを使う場合の分量を紹介します」

まず最初に合わせ酢を作ります。

鍋に酒、みりん同量(ここでは15㎖ずつ)を入れて火にかけ、煮立ててアルコールを飛ばします。このことを「煮切り」と言います。高濃度のアルコール分は料理の味を損なうため、アルコール分を除いてアルコール臭をなくすのです。

アルコールが飛んだら、お湯30㎖、きび砂糖(またはてん菜糖)小さじ2を加えて溶かします。完全に冷めるまでおいてから、酢45㎖を加えます。熱いうちに酢を入れると酢酸が蒸発してしまうため、冷めてから加えるのです。お湯を加えたことで、酸味がきつすぎず、まろやかな味わいに仕上がります。お湯(水)で薄めることで保存を心配される方もいらっしゃると思いますが、このくらいの割合ならば問題はないでしょう。


大根とにんじんの皮をせん切りにします。

まな板に皮を横に長く置いて、斜めに切ってせん切りにします。ボウルに入れて、塩小さじ1を振って揉みます。塩で揉むことで、材料の身を引き締めて臭みを取り、味をしみ込みやすくするのです。細かなゴミも取ることができ、滅菌作用もあるのです。ただし、振り塩をして長時間そのままにしておくと水分とともにうま味も逃げてしまうので、揉んだらすぐに水洗いし、ザルに取って水気を切ります。

ボウルに移し、薄口醬油小さじ1強を振って混ぜ合わせ、再びザルに入れてしょうゆを切ります。これは「醬油振り」または「醬油洗い」という材料の下処理のひとつです。材料に少量の醬油をまぶし、余分な醬油を切ってから料理に用いることで、料理が水っぽくならず美味しく仕上げることができます。味をなじませ生臭みを抑える効果もあります。今回、薄口醬油を使ったのは、大根の白をできる限りそのままにしたいからです。


完成した大根とにんじんの皮のせん切りを、合わせ酢に加えます。30分以上漬けるのがおすすめです。


最初に合わせ酢を作り始め、きび砂糖またはてん菜糖を加えてから冷めるのを待つ間に、大根とにんじんの皮をせん切りを用意すると、段取りよく仕事ができます。


保存容器に入れて冷蔵庫で1か月ほど保存が可能です。 

 

※今回は基本の「なます」を教えていただきましたが、おすすめは、大根とにんじんの皮に干し柿やドライフルーツを加えて作る応用編とのこと。 きび砂糖も使わずに素材の甘味のみを生かす一品になるそうです!




追記)せん切りは、皮に斜めに包丁を(線のように)入れていきます。

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料理:高橋明也