おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』7

「空をもっていっちゃぁだめだよぅ」 ポコポはなきべそをかきました。 「私のなかまをつれていくなんて」 山ドリのオバサンはプリプリとおこりだします。 「ぼくたちがないたり、おこったりすると、なかまたちも、ないたりおこったり […]

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おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』6

「このあたりだったかなぁ」  おとしたかがみをさがしに、トラックの運転手がもどってきました。 ポコポとピョイと山ドリのオバサンは、あわててちかくの丘にのぼります。  運転手は、キラリと光るかがみをみつけると、顔をホッとさ […]

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おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』5

「あっ!」「あっ!」「あっ!」ポコポとピョイとオバサンのおどろいた声がなんばいにもなって、デコボコ山にこだましました。 みんながのぞいたその空には、オバサンのなかまも、ポコポのなかまも、ピョイのなかまもいます。なかまたち […]

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おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』4

 たしかに山道のまんなかに、白い雲がフワリとういている空がありました。「ほんとだ。わぁ、きれいだなぁ」 おもいきって近づいてみると、その空にはピョイのなかまがいます。 「オバサンやポコポのなかまはいなかったけど、ぼくのな […]

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おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』3

「そうかい、私はたしかに私のなかまをみたんだ。でも、あんたのなかまはみなかったよ」もどってきたポコポの顔を、山ドリのオバサンは、うたがうような目でのぞきこみました。 「ひどいや、うそじゃないってば。オバサンのなかまはいな […]

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おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』2

 ポコポはさっそく、おちてきた空をみにいくことにしました。  デコボコ山の山道に、空がおちているなんていうことは、ポコポにとってはじめてのことでした。 「トラックがジャガイモや魚のひものをおとしていったのは、みたことがあ […]

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おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』1

 ガクン、ガタガタ、ガクン、ガタガタ。 山道を行くトラックがひどくゆれています。  プチッ、ストン。 とつぜん、トラックの荷台のひもがきれ、道のまんなかに、光るものがおちました。  ガタガタ、ガタガタ、ブウン、ブーン。  […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第5回  絵本に導かれた北海道の旅

 私はそのときどきに感じたことを絵本にしてきました。それは、自分の考えに気づき、深め、それを自分と他者に問いかける作業でした。  学校を卒業後、何をしたいのか模索する中で、立派な成功者のイメージは、何かの賞を受賞して有名 […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第4回 日本人木版画家として

 チリの作品展に参加してから多くの外国人版画家とSNSでメッセージを交わすようになりました。日本の版画として世界に知られているのは、やはり浮世絵です。海外の方に、私は神奈川に住んでいると伝えるとき、北斎の「富嶽三十六景  […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第3回 SNSを始めてから知った新たな木版画の世界②

 チリに住む版画家ラドから2回目の展覧会の誘いがありました。今回の展覧会の趣旨は、政府に反対し投獄された人々への連帯を呼びかけるものでした。  チリは1973年の軍事クーデター以降、強権的な手法で市民を従わせようとする政 […]

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