ISBN 978-4-9907925-3-4
B5判 160頁
価格 2,700円+税
発売日 2020年3月16日

戸練ミナ

重ね煮料理「はぁも煮」主宰
重ね煮料理研究家・栄養士・調理師

重ね煮の創始者小川法慶氏に両親が師事していた経緯から重ね煮を食べて育つ。短大で栄養学を学び、卒業後に調理師学校に。割烹、フレンチレストラン、自然食カフェに勤務。その後、パティシエ研修のため渡仏。帰国後、西洋医学と東洋医学を統合した病院の食養課課長として重ね煮を使った病院給食、栄養指導に取り組む。さまざまな場面での「食」に携わる経験を通し、野菜の素晴らしさ、重ね煮の奥深さを実感。2007年より、暮らしの中にあるものを輝かせるエッセンスになることを願い、日本各地、海外にて重ね煮料理教室を開催している。


“美味しい" を大切に考えた、体にも優しい野菜料理。今回は根菜が主役の重ね煮です。野菜を重ねて蒸し煮(重ね煮)するだけでなく、重ね煮の前にひと手間が必要なものがいくつか登場しています。例えば、ごぼうのアクは、体に有用な働きをするポリフェノール。そこで、アク抜きをせず、旨みに変えます。旨みに変えるためのひと手間は必要になりますが、知っていると料理の幅が広がります。基本の重ね煮をすでに実践している方、重ね煮料理の幅をさらに広げたい方にオススメの一冊です。 今回は、重ね煮料理だけでなく、根菜1種の味わいを生かす料理も紹介しています。根菜の実、葉、皮、すべてを無駄にすることなく、しかも美味しく、大切にいただきます。

「重ね煮」とは 野菜の旨みを最大限に引き出す調理法。3種以上の野菜を層にして重ね、30分ほど蒸し煮をします。ほんの少しの塩で野菜の水分と旨みを引き出します。

重ね煮とは

戸練ミナ公式サイトより以下引用

重ね煮は野菜の旨みを最大限に引き出す陰陽調和の考えを生活に反映させた野菜をとびきりおいしく食べることができるようになる調理法です。
重ね煮では、それぞれの野菜のチカラを最大に活かせるよう、鍋の中に野菜を自然の摂理に従った順に重ね、蒸し煮にします。
野菜がおいしくなる秘密は鍋に野菜を重ねていく順番にあります。

空へと向かって伸びる野菜(陰)は鍋の下に。
土へと伸びる野菜(陽)は鍋の上に。切った野菜をそんな風に野菜の持つエネルギーに従って重ね、ほんの少しの塩をふり、とろ火で野菜の持つ水分を引き出して、対流させながら蒸し煮にします。
この野菜の持つエネルギーに従って重ねるところが、重ね煮で野菜がおいしくなるポイントなのです。

また、野菜の皮はむかず、食べられる部分はすべて使いきります。
アクさえも旨みに変えるその考え方からは、自ずと野菜や食べ物に感謝の気持ちが溢れてきます。
「 想像してみてください。フタをしてじっくりと火にかけ、しばらくすると野菜の淡い香りが立ち上がり、時間と共にその香りが力強くなっていく風景を。」それは、人が意図的につくり出すことのできない深い味わいなのです。

そんな野菜の調和によって生み出される重ね煮の深い味わいと風味は、人が持つ自然治癒力を高めるパワーを持ちます。
特に体力が落ちてしまった人や幼い子供には、必要不可欠な調理方法といえます。
また、重ね煮は、還元力が増すので調理したものは、日持ちします。

例えば、冷蔵庫で5~7日保存可能なので、保存した重ね煮を使って、味噌汁、サラダ、和え物、餃子や春巻き等の汁物から主菜までさまざまなアレンジ料理を展開できます。
つまり、身体に優しい野菜料理を日常で手軽に食べるのも重ね煮の最大のメリットなのです。