連載読み物

おちてきた空【庭野ち草】
『おちてきた空』1

 ガクン、ガタガタ、ガクン、ガタガタ。 山道を行くトラックがひどくゆれています。  プチッ、ストン。 とつぜん、トラックの荷台のひもがきれ、道のまんなかに、光るものがおちました。  ガタガタ、ガタガタ、ブウン、ブーン。  […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第5回  絵本に導かれた北海道の旅

 私はそのときどきに感じたことを絵本にしてきました。それは、自分の考えに気づき、深め、それを自分と他者に問いかける作業でした。  学校を卒業後、何をしたいのか模索する中で、立派な成功者のイメージは、何かの賞を受賞して有名 […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第4回 日本人木版画家として

 チリの作品展に参加してから多くの外国人版画家とSNSでメッセージを交わすようになりました。日本の版画として世界に知られているのは、やはり浮世絵です。海外の方に、私は神奈川に住んでいると伝えるとき、北斎の「富嶽三十六景  […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第3回 SNSを始めてから知った新たな木版画の世界②

 チリに住む版画家ラドから2回目の展覧会の誘いがありました。今回の展覧会の趣旨は、政府に反対し投獄された人々への連帯を呼びかけるものでした。  チリは1973年の軍事クーデター以降、強権的な手法で市民を従わせようとする政 […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第2回 SNSを始めてから知った新たな木版画の世界①

 2年前までパソコンもスマホも家には存在していませんでした。  新しい電化製品を買うのをやめようと25年前に思って、それから少しずつ電化製品を持たない暮らしに変えていったのです。残念ながら、時代は私に合わせてはくれません […]

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絵に救われて 導かれて【古知屋 恵子】
第1回 絵を描く私

 私は今、版画や絵本を作って生きています。小さい頃から絵が好きだったのですか?とよく人に聞かれます。絵を描き始めたのは、劣等感から逃れるためでした。  私の記憶は幼稚園に遡ります。鼓笛隊があって、上手に出来る子は前列で太 […]

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