作・庭野ち草/絵・小林龍夫
「このあたりだったかなぁ」
おとしたかがみをさがしに、トラックの運転手がもどってきました。
ポコポとピョイと山ドリのオバサンは、あわててちかくの丘にのぼります。
運転手は、キラリと光るかがみをみつけると、顔をホッとさせました。
「おう、ぶじでいてくれたか、よかった、よかった。さぁ、つれてかえるぞぉ、ヨッコラショっと」
かがみはトラックのうしろにのせられ、じょうぶなひもでしっかりと荷台にくくりつけられました。
- この記事を書いた人
- 【文・庭野ち草】
1945(昭和20)年生まれ。広告代理店勤務を経て、コピーライターとして独立。
【絵・小林龍夫】
1943(昭和18)年生まれ。ミュージシャン・作曲家。掲載の絵は、茅花舎HP連載用に描き下ろしたもの。