7月10日、「旭川はれて」(「旭川ここはれて」より改名)は無事、グランドオープンしました。いまは、開店後の忙しさと現実の厳しさ、経営者としての責任の重さ、そしてご縁の尊さをますます感じながら過ごす日々です。
 開店までの思いを忘れないためにも、ここに日記を綴っていきたいと思います。

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2022年
2月16日(日)

 11時~15時、飲食店でのアルバイト。
 アルバイト終わりの16時から、旭川の食品卸会社「T」さんと商談。お願いしていた仕入れ予定の食材のサンプルをいただく。

 その後、福岡八女の「いりえ茶園」さんより仕入れのことで電話があった。ずっとメールでやりとりしていたのだが、話が噛み合っていない感じがすると連絡をくれたのだ。
今回、商品をそのまま卸して欲しいと、お茶農家さんやお茶屋さんにお願いをしている。今までは、こちらで用意した独自の袋に詰めていたのだけれど、いろいろ考えて本来のパッケージのまま販売することに決めた。
 なぜなら皆さんそれぞれパッキング方法が違い、パッケージのデザインもさまざまなので、そこが面白い。その人らしさが表れていて、お客様にもお茶農家さんやお茶屋さんを身近に感じてもらえるのではないかと思ったからだ。お茶農家さん、お茶屋さんのファンを作るには、きっとその方がよい。
「いりえ茶園」さんのメールの返答では、そのままの商品を仕入れるのは難しい、そう思っていた。ところが電話で直接話したところ、決まったロット数で注文すればOKということだったのだ。
「あー、よかった」
「いりえ茶園」さんは、すでに多くのファンがついていて、有機栽培のかなり質の高いお茶を作っている。その商品をそのまま取り扱えるのは本当に凄いことだと思う。私自身も「いりえ茶園」さんのお茶作りへの思いや品質の高さを、しっかりとお客様に伝えていかなければならないと思う。

八女市内にある広大な八女中央大茶園。いりえ茶園の茶畑は、ここではなく、まわりからの影響のない標高450mの福岡県黒木町と熊本県鹿北町の県境にある。
「いりえ茶園」の玉露と煎茶は、
「日本茶CAFE/和風居酒屋 WHIZ」
でも購入可能。農薬不使用の玉露は全国でも珍しい。煎茶は、深みのある香りと旨味が特徴。

2月18日(火)

 ときわ市民ホール調理室で13時よりテストキッチン。
 今回、鎌倉の建長寺発祥とされている、けんちん汁を主力商品として打ち出したいと考えている。現在、旭川でけんちん汁を食べられるところはないようだ。旭川に来る前に、北鎌倉の建長寺門前にある禅茶寮「点心庵」で、建長寺公認のけんちん汁を食べてきた。以前勤めていた鶴見の禅カフェ「坐月一葉」では、建長寺で直接けんちん汁の作り方を教えてもらう機会があり、それをお店で提供していた。その時のレシピを元に、再度一から味の調整をし、なんとか完成させた。パートナーからも、旭川は濃い味の食文化なのでお出汁を活かしたけんちん汁の味を地元旭川に知ってもらいたいのでぜひ提供してほしいと言われている。

 けんちん汁の他に、あんみつとパフェの試作品を味見してもらう。全体的には特に問題はなし。パフェのクオリティーをより高くするために、何かもう一つ食感が加わると良いのでは、とアドバイスしていただく。
 お酒メニューについてはよくわからないため、「ここはれて」の運営の方に相談をすると、「抹茶ビールなどはどうですか」と静岡の人気店を教えてもらう。

 引き続き15時より、ときわ市民ホールの会議室にて内装の打ち合わせ。この日は、まだ一度も会ったことのない出店予定の方々も来ていて、そわそわした。「あー、いよいよ始まったんだな」と改めて思う。
 壁の色をどうするか、何を設置するのかなどの打ち合わせをする。壁の色はデザイナーSさんにカラーチャートをいただいていたので、それを元に具体的にお願いする。この日は、茶器の仕入れ先である陶器屋の松前さん(「ここはれて」に名寄名産のもち米を使ったおはぎ屋として出店予定)も内装の打ち合わせで、先日私が試しにいくつか注文していた急須や湯呑を持ってきてくださった。

 内装の打ち合わせ終了後、デザイナーさんのお母様が営む「北珈館」へロゴを確認しに行く。

2月21日(金)

 11時~15時、飲食店でのアルバイト。
 帰宅後、急須と湯呑を決定し注文する。松前さんが、品切れの煎茶用急須を「ここはれて」オープンまでに焼いてもらえるよう、メーカーさんに頼んでみると言う。ありがたい。焼いてもらう、そんな機転が利くなんてさすが老舗だと感服した。
 茶器類はカラフルな感じにしたかった。お店のイメージは和風というよりはカジュアルを目指している。そのために、急須の色をどうしても3色(朱・白・茶)揃えたかった。それゆえ、品切れの急須を焼いてもらえるかもしれない、というのはとても嬉しかった。届くのがとても楽しみだ。黒もあったが、こちらは重たい感じがしたので選ばなかった。

煎茶用は、朱、茶、白。
ほうじ茶用は、茶と白を選ぶ。

2月22日(土)

 甥っ子とパートナーと義母と映画を見に行く。
「Coda コーダ あいのうた」。とても良い映画だった。ひさしぶりの映画館。帰りに、喫茶店「舞・フレンド」で遅い昼食。

2月24日(月)

 19時、川端町にあるギャラリーカワバタで打ち合わせ。
パートナーが5月頃(2023年)にギャラリーカワバタで写真展を開くことになり、その際は私もお茶のワークショップか何かで参加させてもらうことになる。

2月26日(水)

 10時、テストキッチン。今日はときわ市民ホールの場所がとれず、「ここはれて」の敷地内にまだ残っている古い居酒屋さんで行う。前回、パフェに何か食感をプラスすると良いのではとアドバイスを受けたので、今日はそこを手直しした。一番下のソースの部分に寒天と一緒に塩えんどう豆をいれて食感を足す。
「ここはれて」メニュー開発担当のFさんにOKをもらう。いろんなものが入っていて飽きなくていいと言われた。よかった!

 Fさんが紹介してくれた旭川の食品卸会社「トワニ」さんから、Fさんを通してお願いしていた餡子などの食品サンプルをいくつかいただく。
 Fさんが含み笑いしつつ、「リエゾンさん、これレッドビーンズ(エンドウ豆)のサンプルなんですけど」
 何号缶??あまりに大きくて思わず笑ってしまう。
「え!これ、いただいていいのですか?」
 滞留品できっと業者さんも困っていたものだろうと思いながらも、ありがたくいただく。

 3条にある元地元ケーブルテレビディレクターのHさんのお店「アラビコ」へ行く。パートナーとは同世代でとっても仲が良い。私も会うといつも嬉しくなる。「ここはれて」に日本茶カフェを出店することを報告。
 その後、パートナーが私を連れて行きたいと言っていたセレクトショップへ。入ってみると、一見派手な感じに見えるけれどファッショナブルでかっこいい服がずらり。しかもリーズナブル。
 オーナーさんはファッション業界に長く携わっている方で、ファッションの歴史にも造詣が深く、確かな知識で丁寧に服を紹介してくれる。服の形や素材、すべての要素にここに至る歴史と根拠があるのだ。服の見方が変わった。すごい方だった。
だからここにある服は全て意味があるものたちばかり。こんな方も旭川にいらっしゃるんだ!お店も近いので「一緒に何かしたいですね」と、パートナーとともにお話しする。
 ピンクのジャケットを購入。お店に行くとき着られるかしら。着られるくらいの心の余裕がほしいなと思う。
 今日は義妹の誕生日。市内のイタリアンレストランにオードブルを頼んでいたので取りに行こうとするが、駐車していた時間貸し駐車場でトラブル発生。長引く事になり、お店に遅れると電話した。すると、家まで配達してくれるとのこと。なんて親切なお店なんだろう! ありがたくお願いする。
 配達してくれた女の子はとても気さくな子で、思わず20分くらい立ち話をしてしまう。「ここはれて」にお店をオープンすることを宣伝すると、絶対行きますと言ってくれた。私たちも次はお店に食べに行きますね。あの子とは縁があるねとパートナーがつぶやいた。
 デザイナーSさんより決定したロゴデータが届く。

鮮やかなピンクのジャケット。アシンメトリーの
ポケットの位置にも注目。

2月27日(木)

 ロゴデータを「ここはれて」運営に送る。
 締め切りに間に合った! ありがとう、デザイナーSさん!

この記事を書いた人
【リエゾン ミサ】日本茶専門カフェ店主・日本茶アルティスト

神奈川県藤沢市鵠沼海岸生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、写真家として活動するが、幼い頃から食べることが好きだったため、食の道に転向する。天然酵母パンを伊藤幹雄氏に、紅茶を磯淵猛氏に学ぶ。中国茶「アランチャンティールーム茶語(チャユー)」新宿高島屋店の勤務を経て、株式会社丸山園本店に入社。直営の日本茶専門カフェ「一葉(かずは)」で約10年間運営に携わったのち独立。「LIAISON MISA(リエゾンミサ)」を立ち上げ、お茶の販売と日本茶の魅力を伝える活動を開始。その一環として、2022年7月、北海道・旭川の商業施設「Asahikawa Harete(旭川はれて)」に日本茶CAFE/和風居酒屋 WHIZ by LIAISON MISA開店を予定している。

Asahikawa Harete(「旭川ここはれて」から名称変更)HP : https://www.asahikawaharete.com
日本茶CAFE/和風居酒屋 WHIZ Instagram:https://www.instagram.com/whiz4188/

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