今年7月、2012年2月小学館から発行の戸練ミナさん『重ね煮レシピ100』が増刷、第6刷となりました(フリーランス編集者として携わっています)。『はじめての重ね煮』(茅花舎)は昨年11月に増刷しています。少しずつですが、ゆっくりと広がっていることを、とても嬉しく、ありがたく思います。

『重ね煮レシピ100』は、にんじん、玉ねぎ、しいたけの3種の野菜で作る「基本の重ね煮」を、具材として作り置きしておくことで、日々の料理——サラダやおひたし、餃子、春巻き、肉じゃがなどが、野菜の下準備なしに手軽できることを展開。重ね煮を使ったアレンジ料理を多数掲載しています。

重ね煮という料理法は、野菜から旨みと甘みがたっぷりでるので、ふだんの料理の具材として活用すると味わいがアップ、しかも野菜の甘味で砂糖が不要になります。

「忙しい日々の暮らしのなかで、身体に優しい野菜たっぷりの料理を  “手軽”に美味しく作る」。 書籍化を実現するのに、実用書の場合は著者の自己表現も大切ですが、より多くの方が求めているもの、困ったなあと思っていることが解決できることも大切になります。そこで、”手軽にできるうえに、さらに◯◯ ” を、メインの切り口としました。

一方、茅花舎から発行した『はじめての重ね煮』は、多くの方が求めているということよりも、戸練さんの料理教室に参加されている方にとって、どのような情報が必要かということに視点をおきました。少し教科書的な作りになっています。

コチラの本は、重ね煮そのものについて詳しく掘り下げています。まず「基本の重ね煮」について。その後、基本の重ね煮を発展させて別の種類の重ね煮を作っていきます。あらたな重ね煮を作るとき、戸練さんはどのように考えて素材を組み合わせるのか、その思考と工程を公開しています。

ほかに、戸練さんが教室でよくお話されている「野菜は切り方ひとつで味わいが変わる」ことについて、切り方の工程写真を細かくつけて展開しました。

また、重ね煮は離乳食として活用できることをぜひ知っていただきたい、という戸練さんの思いから「味覚を育む離乳食」を紹介。『はじめての重ね煮』を制作したのは、戸練さんが各地で重ね煮教室をスタートして7年目のときです。各地で教室を始めた頃に生まれたお子さんが、7才になっていました。教室に参加のお母様方から、離乳食のタイミングで重ね煮を知ることができて本当によかった、自分自身の体調も助けてくれた、子どもの味覚が鋭いのに驚かされている、などさまざまな感想が届いた頃でした(その声も紙面に掲載しています)。離乳食については、春日助産院(福岡県)院長・信友智子先生に伺ったコラム「あせらずにマイペースで離乳食」は、離乳食の開始のタイミングを知りたい方、うちの子は遅いのではないかと焦っているお母さまに、とくにご一読いただきたい頁です。

茅花舎編著で「陰陽とは、陰陽五行とは、食養生とは」を展開しています。陰陽と陰陽五行の違い、薬膳とマクロビオティックの違い、食養生などについて、年表などを使って、簡単にまとめました。詳しい方にとっては常識的なことなのですが、「薬膳とマクロビオティックが違うことはわかっているのだけど、どのように違うのかパッとはメージしにくい」という声もなかにはあります。そこで、パッとイメージできる資料として、用意いたしました。